新型コロナ感染症のワクチン接種における労務管理について

 ワクチン接種が活発化しています。私自身も7月10日に1回目の接種を受ける予定です。個人差があるとは思いますが、副反応を考慮して、土曜日接種、仕事の予定は入れないと決めて、予定を組みました。

 職域接種など様々な方法で接種が進んできたことによって、改めて相談が増えているのが、接種や副反応に対しての企業の対応についてです。厚生労働省からは以前から情報が発信されていますが、今回改めて取り上げてみます。

 まず、企業の方にご確認いただいているのは、厚生労働省HPに掲載されているQ&Aです。

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け) サイトはこちら

 このQ&Aは定期的に更新されていますし、基本的な内容は網羅されていますので、まず最初にこちらを確認するとよいでしょう。

 ワクチン接種に関しての勤務の取り扱いなど、多い内容としては次のものが該当します。

4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

問20 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。

7 労災補償

問9 労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、労災保険給付の対象となりますか。

10 その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)

問10 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか。

 この他にも、感染した場合の労災の取り扱いなど、参考になる内容が掲載されています。

 様々な背景や事情がありますので、結論としては、労使話し合いの上、合意することが重要です。また、Q&A自体は指針的な回答もありますので、内容を踏まえて企業として最もよい方法を検討、社労士と相談するなどの対応を行っていくことが重要です。よりよい職場環境づくりを目指しましょう。